Xilinx が販売しているFPGA ボードAlveo シリーズについて、2020年10月現在の情報に基づき特徴や価格をまとめています。
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Xilinx Alveo シリーズとは
Xilinx が展開するデータセンター向けのFPGA ボードのこと。FPGA 単体ではなくPCI Express ボードという形で販売されていて、基板設計や実装といった面倒なことを考えることなく買ってきてそのままPC に挿せば使用可能。Intel のPac シリーズと同様の思想である。
Xilinx はデータセンターで大量に使用してもらうことを想定しているようだが、搭載されているチップの値段と比較するとボードが価格がかなり安いので、研究開発用途にも結構利用されているらしい。後述するAlveo U50 なんかは個人でもなんとか手の届くレベルだと思う。
以下、個人的な感想を多分に含みながらそれぞれを紹介する。詳細な比較はXilinx のページで行なってほしい。
Alveo U200
- おそらく、最もベーシックなAlveo ボード
- FPGA はVirtex UltraScale+ VU9P 相当のものを搭載
- ファンなしのパッシブタイプとファンありのアクティブタイプが存在するので、使用環境に応じて選択する必要がある
- PCIe Gen3 x16 で片方向最大128 GT/s の転送に対応
- DDR4 Memory を16 GB x4 搭載しFPGA からアクセス可能
- QSFP28 ポートも2つあり、100 GbE に対応
- 価格はDigiKey で55万円くらい
Alveo U250
- U200 の完全上位互換。予算が潤沢にあるならば、とりあえずこちらを選んでおけば問題なし
- FPGA はVirtex UltraScale+ VU13P 相当のものを搭載
- Alveo U200 同様パッシブタイプとアクティブタイプが存在するので注意
- PCIe, DDR4, QSFP の仕様も同様
- 価格はDigiKey で85万円くらい
Alveo U280
- U200, U250 とは違い、HBM2 を搭載したことを売りにしたカード
- FPGA はVirtex UltraScale+ VU37P 相当のものを搭載
- HBM2 はDDR4 よりも圧倒的な広帯域でのメモリアクセスが可能
- HBM2 の容量自体は8 GB 程度にとどまる
- DDR4 も搭載しているが、容量は 32 GB
- PCIe Gen3 x16 とGen4 x8 に対応
- QSFP の仕様はU200, U250 と同様
- パッシブタイプとアクティブタイプが存在
- 価格はDigiKey で84万円くらい
Alveo U50
- 最安値のAlveo で、個人で購入するならこちらがファーストチョイス
- FPGA はVirtex UltraScale+ VU35P 相当のものを搭載
- U280 同様HBM2 を8 GB 搭載
- DDR4 の搭載はなし
- PCIe Gen3 x16 とGen4 x8 x2 に対応
- QSFP28 は1ポートのみの搭載
- ファンなしのパッシブタイプのみなので冷却に注意
- 価格はDigiKey で33万円くらいで、個人でもなんとか手が届くレベル
Alveo U25
- 最近追加されたボードで、Smart NIC として利用することを前提としている(らしい)
- FPGA は(おそらく) Zynq UltraScale+ MPSoC ZU19EG 相当のものを搭載
- Zynq なのでFPGA だけでなくCPU も同一チップに搭載されているのが特徴
- DDR4 は2 GB と4 GB を1 枚ずつ搭載
- PCIe Gen3 x8 x2 に対応
- SFP 28 を2ポート搭載し、25 GbE に対応
- (おそらく)ファンなしのパッシブタイプのみ
- 価格は確認できず。まだ十分に出荷されてない?